般若心経「心」訳(川辺秀実/著)を紹介しています。
以下の紹介内容は、すべて下記より引用しています。
「心」訳 般若心經 川辺秀美
【参考】
『「心」訳 般若心經』
こころの庫を開く鍵
川辺秀美 著/マガジンハウス
画像については、書籍の内容を参考に作成したものです。
それ以外の追加情報については、参照元を個別に記載します。
「こころ」というものには、
わたしたちが考えている以上に大きな力が内在しています。
そのパワーを解き放ったとき、
絶望していた現実が輝ける世界へと変わる瞬間があるのです。
そのことを高らかに宣言したお経が般若心經なのです。
2011年9月吉日 川辺秀美
漢訳原文 | 「心」訳 |
佛説摩訶 ぶっせつ 般若波羅蜜多心經 まかはんにゃはらみったしんぎょう |
こころが「ありのまま」の姿であれば、あらゆる事物を正確に映し出すために、一切の恐怖から解放される。それと同時に、こころは光となって、生けとし生けるものへのパワーを与えられるようになるという。般若波羅密多とは簡単にいえば、そのような意味を表しており、仏様がこころの本質を説かれたお経なので、心經と名づけられた。 |
觀自在菩薩 かんじざいぼさつ |
わたしはこのように聞きました。観音という名をもった、徳の高い方が人々の前に現れたそうです。その観音様は、深い瞑想に入って、人間のこころの真理をわかりやすくシンプルに説かれたのです。 |
行深般若波羅蜜多時 ぎょうじんはんにゃはらみったじ |
その観音様は、深い瞑想に入って、人間のこころの心真理をわかりやすくシンプルに説かれたのです。 |
照見五蘊皆空 しょうけんごうんかいくう 度一切苦厄 どいっさいくやく |
わたしたちの生には五つの秘密があります。色・受・想・行・識です。これらは五蘊(ごうん)といって、宇宙の根源的要素でもあります。しかし、この五つは実体をもたず、永遠ではありません。そのように観音様はさとったところ、すべての災いや苦しみはなくなり、満たされた世界が実現されました。 |
舎利子 しゃりし |
真実をさとった観音様は、ブッダの弟子であるシャーリプトラに、次のようにやさしく語りだしました。 |
色不異空 しきふいくう |
宇宙を構成している物質や人間の身体は、そもそも実体がなく、常に変化しているため、「空」という性質を持っているのです。 |
空不異色 くうふいしき |
逆に考えれば、すべてのものは空という性質をもつために、物質や身体に多彩に形づくられるのです。 |
色即是空 しきそくぜくう |
ということは、物質や身体は空から離れず、空そのものといってもよいでしょう。 |
空即是色 くうそくぜしき |
また、空は物質や身体そのものであり、色と空は、光と影のような関係でもあるのです。 |
受想行識 じゅそうぎょうしき 亦復如是 やくぶにょぜ |
「色即是空」「空即是色」で見てきたように、「色」は「空」そのものでることを知りました。同じように、「受」「想」「行」「識」もまた「空」なのです。 |
舎利子 しゃりし |
さらに話を続けましょう、と観音さまはシャーリプトラに声をかけました。 |
是諸法空相 ぜしょほうくうそう |
今まで見てきたように五蘊は「空」であると知りました。しかし、実はこの世に存在する、ありとあらゆるものが「空」であるのです。 |
不生不滅 ふしょうふめつ |
「空」という限りなく広く深い観点から見れば、すべての生きとし生けるものは、生まれることもなく、滅することもありません。 |
不垢不淨 ふくふじょう |
それゆえに、汚れるわけでもなく、清らかになるものでもありません。 |
不增不減 ふぞうふげん |
当然のこと、増えたり、減ったりもしません。 |
是故空中 ぜこくうちゅう |
このように見ていくと、すべては「空」という一言に集約されるのです。 |
無色無受想行識 むしきむじゅそうぎょうしき |
空には色・受・想・行・識といった五蘊もなく、 |
無眼耳鼻舌身意 むげんにびぜっしんに |
眼・耳・鼻・舌・身体・こころといった感覚器官である六根(ろっこん)もなく、 |
無色声香味觸法 むしきしょうこうみそくほう |
色・声・香・味・触覚・知覚といった六境(ろっきょう)もありません。 |
無眼界 むげんかい |
目に映る世界もなければ、 |
乃至無意識界 ないしむいしきかい |
心に浮かぶ世界さえも存在しません。 |
無無明 むむみょう |
「空」という高い見地からみると、「わたし」という狭い世界で迷い、悩むということもなく、 |
亦無無明盡 やくむむみょうじん |
迷いや悩みがなくなるということもありません。 |
乃至無老死 ないしむろうし |
老いることもなく、死ぬということもなく、 |
亦無老死盡 やくむろうしじん |
老いることや死ぬことがなくなるということもありません。 |
無苦集滅道 むくしゅうめつどう |
あなたの人生が「苦」に満ちているわけでもなく、「苦」がなくなるわけでもありません。 |
無智亦無得 むちやくむとく 以無所得故 いむしょうとくこ |
智慧もなく、智慧がないわけでもなく、得るものもなく、得るものがないわけでもないのです。 |
菩提薩埵 ぼだいさつた 依般若波羅蜜多故 えはんにゃはらみったこ |
真理を求める人は、こころが光に照らされるために、 |
心無罣礙 しんむけいげ 無罣礙故 むけいげこ |
こころは自由であり、妨げられることがないのです。 |
無有恐怖 むうくふ |
そして、どんなことがあっても、恐れることはなくなるのです。 |
遠離一切 おんりいっさい 顚倒夢想 てんどうむそう |
あらゆる迷いや悩み、苦しみから離れて、 |
究竟涅槃 くきょうねはん |
ニルヴァーナという安らかな深い次元に入っていく。そこは喩えようもなく、自由なファンタジー。 |
三世諸佛 さんぜしょぶつ |
過去・現在・未来に至る仏たちは、 |
依般若波羅蜜多故 えはんにゃはらみったこ |
般若波羅蜜多という光そのものであったために、 |
得阿耨多羅三藐三菩提 とくあのくたらさんみゃくさんぼだい |
究極のさとりの境地に到達した。それは夜空に浮かぶ星のような輝きであった。 |
故知般若波羅蜜多 こちはんにゃはらみった |
それゆえに、あなたは知るべきです。般若波羅蜜多とは、 |
是大神咒 ぜだいじんしゅ 是大明咒 ぜだいみょうしゅ |
偉大なる畏怖の祈り。 さとりを得るための賛嘆の詩(うた)。 |
是無上呪 ぜむじょうしゅ |
このうえないタントラ。 |
是無等等呪 ぜむとうどうしゅ |
絶対無比のマントラ。 |
能除一切苦 のうじょいっさいく |
この般若心經に書かれた経文は、あなたが抱えている苦しみをすべて除いてくれるでしょう |
眞實不虡 しんじつふこ |
このことは真実であり、偽りではないのです。 |
故説般若波羅蜜多咒 こせつはんにゃはらみったしゅ |
このように般若波羅蜜多は高らかに謳(うた)われているのです。 |
即説呪曰 そくせつしゅわっ |
それでは、あなたにマントラ―最上級の真言―の秘密をお伝えしましょう。 |
掲諦掲諦 ぎゃていぎゃてい |
「ぎゃてい、ぎゃてい」と唱えると、天や明王という神々の世界へ行けるという。 |
波羅掲諦 はらぎゃてい |
「はらぎゃてい」と唱えると、菩薩というより高次な世界へ行けるという。 |
波羅僧掲諦 はらそうぎゃてい |
「はらそうぎゃてい」と唱えると、如来という真理の世界へ行けるという。 |
菩提薩婆訶 ぼじそわか |
「ぼじそわか」と唱えると、あなたの心は光そのものとなって、多くの人々を照らし、満ち足りた世界を出現させるでしょう。 |
般若心經 はんにゃしんぎょう |
こころの真理を解き明かし、仏の言葉にはわたしたちのこころの庫(くら)を開く鍵があることを記したお経―般若心經―ここに大いなる智慧が示される。 |
以下の紹介内容は、すべて下記より引用しています。
「心」訳 般若心經 川辺秀美
【参考】
『「心」訳 般若心經』
こころの庫を開く鍵
川辺秀美 著/マガジンハウス
画像については、書籍の内容を参考に作成したものです。
それ以外の追加情報については、参照元を個別に記載します。
さまざまな高僧たちの般若心経の解説を、それぞれ比較しつつ学んでいくことが、この経典の意味する本質を理解するのに最も役立つということである。これは、ごくごく一般の人にとっても、十分に行い得る方法だ。手に入るもので学ぶことが肝要だろう。ダライ・ラマ十四世(●般若心経について【自己変容の道】)
【ダライ・ラマ】Wikipediaより引用
ダライ・ラマ14世(1935年7月6日 - 在位1940年 - )は、第14代のダライ・ラマである。法名はテンジン・ギャツォ。4歳の時にダライ・ラマ14世として認定、1940年に即位、1951年までチベットの君主の座に。1959年に中国からの侵略と人権侵害行為に反発してインドへ亡命。亡命後は、欧米でもチベット仏教に関心のある人や複数の著名人の支持を得、ノーベル平和賞を受賞し、国際的影響力はさらなる広がりを見せており、中国は別として世界的にはチベットの政治と宗教を象徴する人物とみなされる。
【ブッダ】Wikipediaより引用
仏陀(ブッダ)は、仏ともいい、悟りの最高の位「仏の悟り」を開いた人を指す。サンスクリットで「目覚めた人」「体解した人」「悟った者」などの意味である。基本的には仏教を開いた釈迦ただ一人を仏陀とする。一般には、釈迦と同じ意識のレベルに達した者や存在を「ブッダ」と呼ぶようになったり、ヴェーダの宗教のアートマンのように、どんな存在にも内在する真我を「ブッダ」と呼んだり、「仏性」とよんだりする。