可能性は、自分で作った自分のイメージの外側にある。殻を破れば、視点も変わる。必要なのは、自分自身にかける魔法を見つけることなのだ。『ハーバード流 自分の潜在能力を発揮させる技術』マリオ・アロンソ・ブッチ〔著〕より
以下の紹介内容は、すべて下記より引用しています。
ハーバード流 自分の潜在能力を発揮させる技術 単行本(ソフトカバー)
【参考】
画像については、書籍の内容を参考に作成したものです。それ以外の追加情報については、参照元を個別に記載します。
成人の脳には可塑性、つまり外部からの影響に適応して変化する性質があることが知られている。考え方が変わればニューラル・ネットワーク(神経回路網)も変わる。ネガティブな思考にとらわれるとニューロン(神経細胞)が死亡し、ポジティブな思考をすれば脳内の幹細胞から新しいニューロンが誕生する。
人間は、自分を強く抑圧しているプログラムを取り外すことで、脳の構造を物理的に作り替えることができる。神経細胞学者サンティアゴ・ラモン・イ・カハールは、スペイン人として初めてノーベル生理学・医学賞を受賞した1906年、次のような言葉を遺している。「人間は誰しも、望めば自分の脳の彫刻家になれる」
比喩ではない。実際にそうなのだ。この言葉は、もっと頭がよくなりたい、新しいことを学びたいと願う者に大きな勇気を与えてくれると同時に、自分がすべきことを見つけ、それを実践する責任は自分にあるのだということも教えてくれる。
これからの章は、どうか童心に返って心をオープンにして読んでいただきたい。そうすれば、今まで「壁」だと思っていたところに扉が見えてくるはずだ。扉は新しくできたわけではなく、元からそこにあった。自ら限界を設定してしまっていたから見えなかっただけなのだ。アインシュタインの言う「神秘の美」の世界を知るには、子どものころに抱いていた、物事を不思議に思う気持ちや感動する心を取り戻さなくてはならない。
顕微鏡が発明されたおかげで微生物の存在を知ることができ、望遠鏡によって銀河系の存在を知ることができた。それと同じで、自分の内側に入り、確かに存在しているにもかかわらず見えていない部分を発見するには、特別の道具が必要だろう。その道具が「自己認識」である。
私たちの心の中には、本当の望みを見えなくしたり、別の方向に誘導するものが実にたくさんある。「意識」は、そのようなものを見つけるための強力なツールになるのである。
意識するためには「注意」を向けることが必要だ。物を見るときの「目」と同じである。注意を向けることは、対象を光で照らすことだ。自分の中に注意を向けて初めて、蓋をされた部分を見つけ、その蓋を外すことができる。
私たちは自分が描いたイメージと無意識のうちに完全に一体化してしまい、そのイメージが消えてしまえば自分も消えてしまうように感じている。つまり、変わることができないのではなく、変わることに大きな抵抗感を抱いていて、そのことに気づいていないのだ。まるで蝶になりたがらないイモムシである。
しかしイモムシは、時期がくると暗い部屋の中に入る。繭というその部屋ではタンパク質を分解する酵素が働いて、イモムシというアイデンティティから解き放たれる。ただただ母なる自然の偉大さを信頼して繭にとどまり、蛹(さなぎ)へと変容する。そして繭が開く。そのとき姿を現すのはイモムシではない。蝶だ。これは単なる変化ではなく完全変態、いわゆる羽化である。イモムシというアイデンティティを生きていたころから、(気づいていなくても)飛べる可能性はあったのだ。そして蝶へ姿を変えることで、可能性は現実となった。
想像してほしい。あなたはイモムシの皮をかぶって、のそのそと這い回っている。イモムシである限り、木から木へ、花から花へと自由に飛び移ることはできない。イモムシの視点からはまったく無理だ、無謀だと思われること(例えば空を飛ぶということ)が、蝶の視点から見ればごく普通のことになったように、あるアイデンティティの視点からは不可能に見えても、別の視点からは可能に見えるということが必ずある。自分のアイデンティティに固執している限り、新しい視点で見ることはできない。可能性は、自分で作った自分のイメージの外側にある。殻を破れば、視点も変わる。必要なのは、自分自身にかける魔法を見つけることなのだ。
以上の紹介内容は、すべて下記より引用しています。
ハーバード流 自分の潜在能力を発揮させる技術 単行本(ソフトカバー)
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画像については、書籍の内容を参考に作成したものです。それ以外の追加情報については、参照元を個別に記載します。