パーソナルスペースが国や地域や生活環境によってどのように異なっているのかについてバーバラ・アン・ブレナンの著書より紹介しています。
以下の紹介内容は、すべて下記より引用しています。
癒しの光―自己ヒーリングへの旅〈上〉 単行本
【参考】
『癒しの光―自己ヒーリングへの旅〈上〉 』
バーバラ・アン ブレナン (著)
王 由衣 (原著, 翻訳)
出版社: 河出書房新社
画像については、書籍の内容を参考に作成したものです。見出しは内容に合わせて作成しました。それ以外の追加情報については、参照元を個別に記載します。
個人セッションで非常に興味深いことをみつけた。患者(たいていオランダ人か他のヨーロッパから来た人)は、セッションのはじめに私と向かい合って座るとすぐ、椅子を引きずって近づいてくるのだ。
あまり考えずに、私は椅子を少し後ろにずらした。セッション中、患者はまた近づいてきて、私はまた後ろに下がる。セッションの終わり頃には通常、私の椅子の背は壁に押し付けられているのだった。これは非常に具合が悪かった。アメリカではこんなことはなかった。
戸惑いながら、私は時間より早めに部屋に行って、自分の側にもっとスペースをとるようにした。しかし、セッションの終わり頃には必ず壁まで追い詰められているのだ。このような状態では、考えたり、自分を患者から切り離したりするのはとても難しかった。私は自分の側に問題があると考えた。多分、自分はこの人たちほどひとなつこくないのだ。そしてこの新しい状況に自分を合わせようと努めたが、だめだった。私は自分のスペースを得るために立ち上がって部屋を歩きだした。すると一、二分後には患者も立って、私のあとをついてまわるのだ。
最後に私は、自分のHEF(ヒューマンエネルギーフィールド)がここの患者よりも三十〜六十センチも広いことに気づいた。つまり患者たちは、ほかのヨーロッパの人たちに対するのと同様な「普通」の間隔をとろうとしていたのだ。このHEFの相互関係を観察し始めてわかってきたのは、ヨーロッパの人々(特に海沿いの狭い国土に詰め込まれているオランダ人)は、自己のHEFのサイズを狭い空間での生活に合わせて調整しているということだった。
数年後、私はアメリカ人でも、東海岸と西海岸でHEFに大きな違いがあるのに気づいた。一般に、ニューヨークの人々は南カルフォルニアの人々に比べて狭い。広い空間に少ない人数で生活する人たちは、狭い空間に大勢で暮らす人たちより広いHEFを持っていると考えられる。混雑した都市の人々のHEFは田舎の人々より狭い。人口密度の高い国の人々のHEFは人口がまばらな国の人より狭い。
さらに、たがいの間に設けるエネルギーの境界線にも違いがみられる。
ニューヨークから来て私のクラスに出席する人々は、他人と自己を分ける境界線がしっかりしている。まるでゴムボールがたがいにぶつかって跳ねあうように、第七レベルの外側でたがいにぶつかりあうのだ。
南カルフォルニアの人々はたがいのHEFに干渉しあうことなく、輪郭もふんわりしている。第四から第七レベルをたがいにぶつけることなく重ねあわせて同じ空間を共有することができる。
したがって、カルフォルニアの人はHEFが広いが、コミュニケーションを交わす際にはニューヨークの人よりたがいに近くに立つのを好む。このようなコミュニケーションはしかし、ニューヨークの人間には軽すぎる。あるいはまったくなかったかのように感じられる。一方カルフォルニアの人は、ニューヨークの人間をがさつで硬直していると受け取るかもしれない。
もちろん、この違いにはほかにも重要な要素がある。それは、たがいに接触する際には、人は自分のHEFのうち居心地よく感じられるレベルを他人と重ねあわせるのを好むということだ。
人はそれぞれ、特定のレベルをほかのレベルより発達させている。どのレベルが発達しているかは、家庭や社会環境によって違う。異なる社会にはそれぞれその社会の価値観があり、それは人間が経験するものの中から特定の面を発達させるよう促す。たとえば、真実に最も高い価値を置く社会では、第五レベルに多くの注意が払われるだろう。人間どうしの愛が最も高いレベルとされていれば、第四レベルがその社会では発達するだろう。
もちろん、それがどのように発達するかは、それぞれの社会がその価値観をどのように表現するかにもかかっている。もし、一部の宗教的社会のように、神聖な愛あるいは意志といったスピリチュアルなものが最も高く認められていれば、人々はその価値観を反映するような形で自己のHEFを発達させる。この場合、第六、または第七レベルが最も発達するだろう。この社会の人々は、コミュニケーションの際にはこうしたレベルを互いに交わらせるのを好む。
ヨーロッパの人は高度に洗練され、非常に発達した第一と第三レベルを持ち、特に第三レベルで関係を持つのが好きだ。ニューヨークの人間は第二、第三、第四レベルが好きだが、エネルギーフィールドを交わらせるのは好まず、むしろ緊張を創り出すようような形で触れさせるのが好きだ。この緊張感により、たがいに「自分」を区別しあう。カルフォルニアの人間は第二と第四レベルを好み、ふんわりとエネルギーを交わらせるのが好きで、これをどちらも干渉したりぶつけたりせずに行う。おそらく緊張のない「同一感」を求めているのかもしれない。
なお、以上の観察はすべて私のクラスに参加した人を対象にしているので、その地域のすべての人には当てはまらないかもしれない。
以上の紹介内容は、すべて下記より引用しています。
癒しの光―自己ヒーリングへの旅〈上〉 単行本
【参考】
『癒しの光―自己ヒーリングへの旅〈上〉 』
バーバラ・アン ブレナン (著)
王 由衣 (原著, 翻訳)
出版社: 河出書房新社
画像については、書籍の内容を参考に作成したものです。見出しは内容に合わせて作成しました。それ以外の追加情報については、参照元を個別に記載します。
HSC(人一倍敏感な子)・HSP(人一倍敏感な人)のチェックリスト等を『ひといちばい敏感な子』(エレイン・N・アーロン著)より紹介しています。また、エンパス(共感力者)のタイプについても紹介しています。
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