人生の後半を見通して未来を描くためには、人生の節目の時期に、目的方向を確認しながら人生全体を眺めることが役立ちます。一人一人異なる目的方向を確認するためには、自分自身について知ることが必要です。
2023年3月9日 inner-wish
人生100年時代と言われる今、長い人生で未来を描くために自分にしかできないことがあります。それは、自分はどんな人間で、どんな人生をどのように創造していきたいのか、問い続け、考え、決断と行動を繰り返すことです。さらに毎日の習慣・時間やお金の使い方を見直し、有形・無形資産のバランスをとり、未来を創造するための時間を持つことが大切になります。
2022年2月22日 inner-wish
長い人生で未来を描くために必要なことについて『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット (著)より紹介しています。また、ページ後半には関連ページ・関連ブログ・関連サービスも紹介しています。
1)『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』
2)関連情報
以下の紹介内容は、すべて下記より抜粋・引用しています。
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略
【参考】
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
100年時代の人生戦略
著者:リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット
訳者:池村千秋
発行:東洋経済新報社
画像は編集して作成しました。
小見出しは掲載されている見出しと、内容から作成した見出しを使用しました。
文章はすべて本文の一部を要約・抜粋・引用しています。掲載順は一部入れ替えています。
人生で多くの移行を経験し、多くのステージを生きる時代には、投資を怠ってはならない。新しい役割に合わせて自分のアイデンティティを変えるための投資、新しいライフスタイルを築くための投資、新しいスキルを身につけるための投資が必要だ。
寿命が延びて人生の時間が多くなれば、投資に費やせる時間も増える。これまで、こうした投資は人生の最初のステージ、つまりフルタイムで教育を受ける時間に集中して実施されていた。しかし、人生がマルチステージ化すれば、生涯を通して投資が行われる。従来は余暇時間とみなされていた時間も、そのために用いられるようになる。
人生が長くなれば、余暇は、新しいステージに向けて自分を再創造するための投資の時間にもなる。100年ライフの恩恵の一つは、余暇時間の使い方を見直し、消費とレクリエーション(娯楽)の比重を減らして、投資とリ・クリエーション(再創造)の比重を増やせることなのかもしれない。
70歳、80歳、100歳になった自分がいまの自分をどう見るかを考えてほしい。いまあなたがくだそうとしている決断は、未来の自分の厳しい評価に耐えられるだろうか?
この問いこそ、長寿化という現象の核心を突くものなのだ。人生が短く、人々が人生で多くの移行を経験しなかった頃は、とりたてて深く考えなくても「私は何者か?」という問いの答えはおのずと見えてきた。
しかし、人生が長くなり、多くの移行を経験する時代には、人生全体を貫く要素がなにかを意識的に問わなくてはならない。さまざまな変化を重ねつつも、自分の本質でありつづける要素とは、何なのか?
人生が長くなるほど、アイデンティティは人生の出発点で与えられたものではなく、主体的に築きうるものになっていく。長い人生を生きる人は、人生で移行を繰り返すことになる。
ほかの人たちと一緒に移行を経験するケースもあるだろうが、歳が近い人たちの選択に従うというやり方はたいてい通用しない。まわりのみんなと同じ行動を取るだけでうまくいく時代は終わったのだ。
過去の世代には必要なかったことだが、私たちは、自分がどのような人間か、自分の人生をどのように組み立てたいか、自分のアイデンティティと価値観を人生にどのように反映させるかを一人ひとりで考えなくてはならない。
寿命が延びれば、働く期間が長くなり、貯蓄の重要性も高まる。長い人生の間には、産業や雇用のあり方も大きく変わる。ひとことで言えば、100年ライフがもたらすのはこういう未来だ。しかし、お金と仕事の面だけを見ていては、人間の本質を無視することになる。長寿がもたらす恩恵は、基本的にはもっと目に見えないものだ。
無形の資産は、私たちの人生のあらゆる側面できわめて大きな役割を果たしている。お金は確かに重要だが、ほとんどの人はそれ自体を目的にしていない。私たちがお金を稼ぐのは、それと交換にさまざまなものが得られるからだ。
私たちはたいてい、やさしい家族、素晴らしい友人、高度なスキルと知識、肉体的・精神的な健康に恵まれた人生を「よい人生」と考える。これらはすべて無形の資産だ。長く生産的な人生をキ築くために、有形の金銭的資産と同じくらい、無形の資産も重要だということは、誰もが納得できるだろう。
無形の資産は、それ自体として価値があることに加えて、有形の金銭的資産の形成を助けるという点で、長く生産的な人生を送るためにカギを握る要素なのだ。よい人生を生きたければ、有形と無形の両方の資産を充実させ、両者のバランスを取り、相乗効果を生み出す必要がある。
値段をつけにくく、売買するのが難しいからといって、無形の資産に価値がないわけではない。有形の資産との比較で無形の資産にどのくらいの価値があるかというのは、文学や宗教で繰り返し扱われてきたテーマだ。
心理学の分野では、生き甲斐のある幸福な人生を送るための条件について研究がなされてきた。研究者のジョージ・ヴァイラントによれば、幸福を支える柱は二つある。一つは愛、もう一つは、愛をないがしろにせずに済む生き方だ。稼ぐ金が増えれば、幸福の度合いは高まるかもしれない。しかし、幸福かそうでないかをわけるのは、あくまでも愛なのだ。
お金が重要でないわけではない。お金が無形の資産を支えるだけでなく、無形の資産が金銭的資産づくりを支える面もある。この相互関係は非常に重要だ。100年ライフに備えるためには、二種類の資産のバランスを取ることが欠かせない。
本書では、無形の資産に関して、生まれつきの要素は除外して論じることにした。本人の選択によって影響を及ぼせる要素に焦点を絞りたい。長寿化との関係を基準に、これらを三つのカテゴリーに分類してみた。
1 生産性資産
人が仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素のことだ。スキルと知識が主たる構成要素であることは言うまでもないが、ほかにもさまざまな要素が含まれる。
2 活力資産
大ざっぱに言うと、肉体的・精神的な健康と幸福のことだ。健康、友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係などが該当する。長期追跡調査によれば、活力資産を潤沢に蓄えていることは、よい人生の重要な要素の一つだ。
3 変身資産
100年ライフを生きる人たちは、その過程で大きな変化を経験し、多くの変身を遂げることになる。そのために必要な資産が変身資産だ。自分についてよく知っていること、多様性に富んだ人的ネットワークをもっていること、新しい経験に開かれた姿勢をもっていることなどが含まれる。このタイプの資産は、旧来の3ステージの人生ではあまり必要とされなかったが、マルチステージの人生では非常に重要になる。
寿命が長くなれば、教育と仕事の境界のあり方も変わらざるをえない。
企業の間では、学生が十分なスキルをもっていないという不満が広がりつつある。とくに物足りないと感じられている資質は、創造性とイノベーション能力、やさしさと思いやりだ。
企業は教育機関に対して、こうした日々の問題に対処するためのスキルの育成にもっと力を入れることを望むようになった。ニーズの変化は、さまざまな形で教育のあり方を変えるだろう。カリキュラムの面では、経験学習にいっそう力が入れられる。思いやりや創造性の涵養に役立つ活動に取り組み、曖昧で不確実な状況での判断力と意思決定力を身につけるためだ。
生涯に多くの役割を経験するほど、一つの役割によってはアイデンティティが決まらなくなる。アイデンティティは、引き受けるものや親から受け継ぐものというより、丹念につくりあげるものになったのだ。そのプロセスでは、自分についての知識が大きな意味を持つ。
自分のことをよく理解し、よく学ぶためには、ほかの人たちに意見を求め、寄せられた意見について内省することが有効だ。内省の重要性はきわめて大きい。
自分と世界についての認識に新しい情報を加えるだけなら、誰にでもできる。変身資産を積極的に築こうとする人がほかの人と違うのは、単に情報を加えるだけでなく、自己認識と世界の見方を変更することだ。その結果として、自分についての理解が広く深くなり、いくつもの要求と不確実性に対処する能力が高まる。
心理学者のロバート・キーガンによれば、人が大きく変わるのは、一歩下がって内省し、その結果について判断をくだすときだ。行動の仕方やものの感じ方だけでなく、ものの知り方を変えるときーそう、なにを知っているかだけでなく、どのように知っているかを変えるときー変身は起きる。
自分についての知識は、変化を遂げるための道筋を示すことに加えて、人が変化を経験しながらもアイデンティティと自分らしさを保てるようにする役割をもつ。
自分についてよく理解している人は、人生に意味と一貫性をもたせる道を選びやすい。そのため過度に落ち着きのない人生を送らずに済む。
おうおうにして、寿命が延びると、外的要因により慌ただしい日々を強いられたり、職や住居地を頻繁に変えることでせわしない生活に陥ったりする。その点、自分についての知識をもっている人は、人生の新しいステージで成功する確率が高く、変化によりアイデンティティが脅かされるとあまり感じない。
人生の物語が一貫性をもつためには、継続性(自分の変わらない要素はなんなのか?)と因果関係(自分に起きたどの出来事が原因で変化が起きたのか?)の両方の要素が欠かせない。
アイデンティティを主体的につくりあげる側面が大きくなると、「ありうる自己像」への理解を深め、その結果、アイデンティティが未来へ広がるようになる。ありうる自己像とは、未来に自分がどのような人間になる可能性があり、そのような行動をとる可能性があるかを表現したものだ。
それは、将来どうなりたいかを表す場合もあれば、どのような未来を避けたいかを表す場合もある。希望の象徴にもなるし、暗く、悲しく、悲惨な避けたい未来の象徴にもなるのだ。
ありうる自己像は、自分についての知識と組み合わさって、未来に取るべき行動へと私たちを促す(あるいは好ましくない行動を回避させる)強力なインセンティブになる。それによって私たちの行動は規定され、進むべき道へと導かれる。
未来に向けて適切な行動を取ろうと思うためには、「ありうる自己像」について考えることが有効な手立てになりうる。それは自己効力感(自分ならできるという認識)および自己主体感(みずから取り組む、という認識)と結びついている場合にとくに効果が大きい。
あなたがみずからの未来のために描くシナリオは、あなた自身のニーズや希望を軸に描かれるべきだ。あなたのシナリオは、あなたでなければ描けない。
「私は何者か?」「私はどのように生きるべきか?」という問いに答えられるのは、結局のところは本人しかいない。人生が長くなれば、これらの問いは無視できないものになる。
以上の紹介内容は、すべて下記より抜粋・引用しています。
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略
【参考】
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
100年時代の人生戦略
著者:リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット
訳者:池村千秋
発行:東洋経済新報社
画像は編集して作成しました。
小見出しは掲載されている見出しと、内容から作成した見出しを使用しました。
文章はすべて本文の一部を要約・抜粋・引用しています。掲載順は一部入れ替えています。
『ライフ・シフト』最新版:実践編
LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2)100年時代の人生戦略
【関連書籍】
LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2)
100年時代の人生戦略
著者:アンドリュー・スコット/リンダ・グラットン
訳者:池村千秋
発行:東洋経済新報社
発行日:2021/10/29
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