内向性(内に向かう性質)と外向性(外に向かう性質)の流動的な変化と経験に気づくことで、それらを調和的に使えるようになります。これは内面の調和と安定に役立ちますし、同時に「内向的な状態」「外向的な状態」にある人への理解にもつながり、人間関係の調和的な観方にもつながります。
多くの人には、内向的な部分と外向的な部分があります。内向性と外向性の割合が多いか少ないかで、内向型または外向型と認識されます。内向的な部分と外向的な部分を使い分けている人も多いでしょう。
本来、内向性や外向性はその時々で自由に表現されるものなのですが、「内向型」「外向型」というように、固定的に表現し続けていると、いずれかに偏り過ぎて、自分自身が異なる面を自由に出せなくなるケースもあります。そのような場合、内向型の人は外向性を求められると困難に感じたり、外向型の人が内向性を求められると苦痛に感じる場合があります。
内向型や外向型というのは、特定の時期や状況で切り取られたタイプであり、そのタイプ分けで役立つ方法も数多く存在します。しかし、それと同時に、自分の内側にある内向性と外向性の両方に気づき、その都度、細かく自由に発揮できるようになることが役立ちます。
内向性(内に向かう性質)と外向性(外に向かう性質)は、生活や仕事の中でそれぞれ必要になる場面があります。また役割・状況・希望・目的・時期などいろいろな条件によって、内向性/外向性の割合は異なります。
内向性(内に向かう性質)と外向性(外に向かう性質)は、変容のサイクルで言えば時期的に繰り返される在り方です。大きなサイクルで眺めると大きく変容する性質でもあります。
また、どのチャクラに中心の意識があるのか、どのチャクラがどの程度開いているのかによって、内向的あるいは外向的の性質が異なる場合もあります。一概に内向型か外向型かと言い切れない変化があるのです。
ですから自分の全てが内向型か外向型かというよりは、今は意識が内向的か外向的かどちらに傾いているか?それは何のためか?という問いが役に立つ場合も多いと思います。
このように、内向性(内に向かう性質)と外向性(外に向かう性質)は、流動的に変化するものなのです。
内向性や外向性は、多くの人の中にその都度いろいろな形で現れています。また自己の内面にある、内向的な部分と外向的な部分は状況に応じて表現されています。
ですから今は内向的である時、あるいは今は外向的である時というように、小さく気づいていくことが役立ちます。
内向性と外向性にはそれぞれ目的や必要性がありますので、「なぜ今内向的なのか?」「なぜ今外向的なのか?」と問うことで目的や必要性に気づくことも役立ちます。
内向性(内に向かう性質)と外向性(外に向かう性質)は、大きなサイクルでも変化しますし、日常生活や仕事の必要に応じて細かく変化します。
内向的あるいは外向的と決めつけてしまうよりも、流動的な内向性(内に向かう性質)と外向性(外に向かう性質)の動きに気づいていくことが役立つのです。意識がどこに向いているのかに気づくことで、必要に応じた細かい調整が可能になります。
内向性(内に向かう性質)と外向性(外に向かう性質)は頻繁に変化していると気づくと、内向性が必要な時と外向性が必要な時を細かく判断できるようになり、その都度必要に応じて意識の向きを変えることができるようになります。
必要に応じて意識の向きを変えた時、どのように対応していくかは経験と学びが必要です。しかし、いずれの方向性についても何らかの経験があることに気づくでしょう。
このように内向性(内に向かう性質)と外向性(外に向かう性質)の流動的な変化と経験に気づくことで、それらを調和的に使えるようになります。
それは、内向性あるいは外向性を固定的に捉えず、流動的なものと意識することにより、細かい必要に応じて自主的に意識の方向性をスイッチできるようになるからです。
また、細かい状況の変化に、小さく対応することを意識していると、内向的/外向的という区別は重要でなくなります。その都度、どのような対応を選ぶか?ということに意識を向けることができるようになるからです。
内向的に対応するか、外向的に対応するか、またそれぞれどのように対応するか、小さく調整できるようになると、内向性と外向性は自然に調和的にスイッチされるようになります。その対応の仕方はその都度異なるでしょうし、人によって状況によって異なるでしょう。自然に調和した形で自由に選べるようになれば内向的/外向的という葛藤はなくなります。
これは、内面の調和と安定に役立ちますし、同時に「内向的な状態」「外向的な状態」にある人への自然な理解にもつながり、人間関係の調和的な観方にもつながります。
2022年8月10日 inner-wish
「静かな人」の戦略書—騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法
著者:ジル・チャン
訳者:神崎朗子
発行所:ダイヤモンド社
発行日:2022/6/29
本書は台湾でベストセラー1位となり、20週にわたりトップ10にランクイン、米ベレットコーラー社が28年の歴史で初めて翻訳刊行する作品となり、第23回Foreword INDIES「ブック・オブ・ザ・イヤー」特別賞に選出されるなど話題となっている。
本書は内向型の人が、どのようなことに困っているのか、どうすれば持てる力を発揮できるのかについて、詳しく具体的な方法を説明する書籍です。著者は内向型でありながら世界的に活躍している女性であり、内向型の利点を熟知した上で「内向型であることを変えずに」成果を出せる人です。本書は「内向型」に偏っていると本人が感じている場合に、「無理して外向的になる必要なく」必要な対応ができる方法を説明しています。内向的かつ外向的である人の場合、方法は知っている、あるいは使っているものも多いかもしれません。その場合には、内向型と外向型の協力方法を、内面の協力体制に用いることができます。