猫と赤ちゃんの不思議な話
猫には「新しい扉」を開く力があるのでしょうか。猫と赤ちゃんにまつわる我が家の不思議な話について。
ジブリの物語と猫
注）「スタジオジブリ作品の場面写真」の提供画像を使用して編集しました。
スタジオジブリの作品
「耳をすませば」や「猫の恩返し」では、
猫が重要な役割を果たしています。
猫の後を追いかけたり、
猫を助けたりすることで、
「新しい扉」が開かれるのです。
これは、子猫が私たちに
「新しい扉」を開いてくれた、
不思議な物語のように感じたお話です。
神社で子猫に出会う
25年前のある日のことでした。
その日は、夫の友人2人が遊びに来ていて、
夕方一緒に散歩に出かけたのです。
近くの神社に立ち寄った時、
小さな子猫に出会いました。
私が近づき身をかがめると、
子猫はぴょんと私の膝に飛び乗りました。
とても人懐っこい子猫で、
私たちはすっかり仲良しに。
これは余談ですが、私は子どもの頃から
捨て捨て猫や捨て犬に出会うことが多く、
赤ちゃん猫を見つけた段ボールで育てたり、
捨て犬を拾って育てたりしていました。
ですから、子猫に出会ったことは、
私にとって日常的な出来事だったのです。
子猫が家までついてくる
ところが重い腰を上げ、
夕暮れ前に帰宅しようと歩き始めると、
子猫がついてくるではありませんか。
小さな子猫がテコテコと、
30分くらいの道のりを後ろから、
我が家までついて来てしまったのです。
子猫と暮らす新しい日々
私たち夫婦は、
どちらかと言えば犬好きでしたので、
子猫をどう扱っていいか迷っていました。
けれど突然、
まるで小さな子供と過ごすような、
新しい日々が始まったのです。
子猫は自然に
家族の一員のように振る舞い始めました。
ベッドに潜り込んで
肉球をチュパチュパ吸ったり、
家の中でも後ろをついて回ったり。
だるまさんが転んだをすると
何度も立ち止まりながら近づいたり、
おもちゃで遊んだり、
雀やバッタを捕まえて来て自慢したり。
私たちは子猫との新しい暮らしに
とまどい、翻弄されながらも、
次第に夢中になっていました。
子猫が赤ちゃん靴下を
そんなある日のこと、
子猫が白い赤ちゃん靴下を
くわえて帰って来たのです。
たぶん、どこかで拾ったのでしょう。
トイレから出て来た私の前に、
赤ちゃん靴下を置きました。
でも、そのタイミングが鳥肌ものなのです。
それは、私がトイレで妊娠判定薬を使って
「陽性」と知った時だったのです。
子猫はその後、窓から出て行ったまま
2度と帰って来ませんでした。
1週間泣きながら近所を探したけれど、
どこにも見つからず、
私たちの前から姿を消してしまいました。
赤ちゃんが家にやってきた
そして、子猫と入れ替わるように、
赤ちゃんが我が家にやって来たのです。
それが長女です。
私たちは出会って12年、
結婚して7年目になっていました。
もともと二人とも、結婚願望も出産願望も
なかったものですから、
周囲が心配して、
「そろそろ結婚したら」とか
「そろそろ子供を」と
遠慮がちに言ってくれていたのです。
でも、マイペースな私たちは
なかなかその気になることなく、
仕事や二人のテーマや
人生の目的に精一杯でした。
もしかすると、そんな私たちに
何かの力が子猫の姿で
背中を押してくれたのかもしれません。
子猫は私たちの
「新しい扉」を開いてくれたのです。
猫が赤ちゃんを連れてくる話
当時、
「猫を飼うと赤ちゃんができる」という
都市伝説のようなものがありました。
私も先輩夫婦から聞いていたのですが、
本当にそうなりました。
さらに、私の家に来てその話を聞いた
友達夫婦も2組ほど、
猫を飼って赤ちゃんができたのです。
私たちは自分たちの生活で精一杯なのに、
子供なんて無理と思っていましたが、
子猫の世話をするうちに
「子育てってこんな感じなのかな」と
イメージできたように思います。
イメージトレーニングによって、
不安が「できるかも」に変わったのか、
それとも猫の不思議な力が
「新しい扉」を開いてくれたのか、
あるいは、その両方なのかもしれません。
いずれにしても私は、
人生に不思議な力が働く時に、
「新しい扉」が開かれることを、
何度も体験してきましたので、
その一つとして記憶に留めています。
inner-wish補足
猫が赤ちゃんを連れて来た不思議な体験は、昔アメーバブログにも書いたことがあります。すでに削除済みなのですが。
今日、このブログを書こうと思ったきっかけは、「日本人、全都道府県で初の減少」というニュースを読んだからです。今は昔と違って、「産むことも育てることも難しい時代」と言われていますよね。
でも実を言えば、私たち夫婦にとっても、「産むことも育てることも難しい時代」でした。当時、夫は仕事をやめてアルバイトをしていましたし、私は世帯主として働いた後、病気で休職し、その後転職したばかり。二人で生きるのもままならない不安定な状況でした。またバブルは弾け、阪神淡路大震災や災害が多発し、社会情勢も不安な時代でした。
そんな状況の中で、「神社から子猫がついてくる」という物語のような出来事だったのです。なんというか、シビアで恐れや不安でいっぱい、未来も見えない中、あまりにも現実感に欠ける、別次元からやってきたような「人生への割り込み」でした。そのような不思議な出来事をきっかけに、私たちは抵抗していた人生に身を委ねたのです。
でも、この子猫と過ごした新しい日々が、私たち夫婦の人生を全く別の世界へと導いてくれたのです。そこからは、仕事も生活も精一杯で大変ながら、本当に心の奥深くで無意識に願っていたような、思いがけない日々が訪れました。
この時ほど「案ずるより産むが易し」であると身をもって実感したことはありません。
今もまた大変な時代であり、先行きも不透明です。でも、もしこのようなチャンスが訪れたなら、更にそれが信頼に値するような流れであるならば、人生に身を委ねてみることも「有り」だと思います。
子どもを産んで育てるということも、人生にとって大きな「日常生活の変容」の一つだと思います。
また子どもに関係なく、「人生の不思議」に身を委ねることも、「日常生活の変容」につながることがあると、これまでの人生経験から実感しています。
2023年7月26日 inner-wish
2023年7月26日更新 inner-wish
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