●塵も積もれば山となる
お釈迦様の弟子パンタカが
「塵も積もれば山となる」と
毎日掃除を続けて悟ったというお話。
パンタカという、
何度教えを聴いても
覚えられない人がいました。
そこでお釈迦様は、彼にほうきを手渡し、
「塵も積もれば山となる」とだけ唱えながら
毎日庭の落ち葉を掃除するように伝えます。
パンタカは真面目な性格で、毎日毎日
「塵も積もれば山となる」
と繰り返しながら、
掃除し続けたそうです。
ずいぶん長い間、掃除を続けたある日、
パンタカはハッと気づいたのです。
そしてお釈迦様のところへ跳んで行き、
「塵とは私達の煩悩のことですね!」
と顔を輝かせて伝えました。
お釈迦様は彼が覚ったことを証明し、
彼は以後、皆から「パンタカ尊者」と
敬われるようになりました。
「塵も積もれば山となる」という言葉を初めて知ったのは、仏教系の幼稚園で読んだ絵本からです。とても印象的なストーリーで、箒を持って掃除するパンタカさんと、お釈迦様の姿が目に浮かぶようでした。また、幼い心に「毎日の心がけの大切さ」を身に沁みて感じたのを覚えています。
その絵本を読んで以来、今日まで何十年も経ちましたが、「塵も積もれば山となる」という言葉は、とても大切な教えであると実感しています。無意識の小さな習慣が、良くも悪くも積み重なって、さまざまな出来事が現れるプロセスを何度も経験しているからです。
「塵も積もれば山となる」「毎日掃除すること」と言う教えと、「塵とは私たちの煩悩」という気づき。それは、苦しみの種である梵脳は毎日積もって山のようになること、また毎日苦しみの種を掃除する習慣を継続する必要があることを教えてくれています。
自他にとって良い結果をもたらさない苦しみの種(思い・言葉・行ない)は見直し、自他にとって良い結果をもたらす習慣は継続するということでもあります。なかなか上手くいかないことも多く、失敗も多いですし、無意識で気づいていない癖や習慣も数知れません。わかっていてもなかなか手放せないことも多いです。
でも、「塵も積もれば山となる」と唱えながらコツコツ毎日掃除を続けたパンタカ尊者を見習って、長い人生をかけてコツコツと継続していきたいと思っています。
2022年4月12日 inner-wish
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