慈悲の心の育て方

更新日:2022/07/21 公開日:2011/11/08

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慈悲の心の育て方【自己変容の道】
慈悲の心の育て方【自己変容の道】

慈悲の心の育て方

 

慈悲の心の育て方について『心の平和』ダライ・ラマ14世/著より紹介しています。

 


以下の紹介内容は、すべて下記より引用しています。

『心の平和』ダライ・ラマ14世著 単行本

【参考】
『心の平和』
ダライ・ラマ14世著 /サンマーク出版

 

画像については、書籍の内容を参考に作成したものです。
それ以外の追加情報については、参照元を個別に記載します。

 


 

すべての命あるものに対する偏見のない愛は、心を訓練することによってはじめて育まれるものです。

 

心を訓練するとは、偏見のない愛こそ価値ある正しい心であるという理由を考え、それに心をなじませていくことによって愛を育んでいくという意味であり、そのようにして育まれた愛は、智慧によって支えられています。

 


慈悲の心の2つのレベル

 

愛と慈悲、つまりやさしさと思いやりは、本質的に相手を自分の側に引き寄せ、相手を慈しみ、親近感を持つものであり、自分に必要なものを得ようとする心です。

 

このような愛は、ふたつに分類することができます。ひとつは、無知の心とともに生じてくるものであり、偏見を持つ心です。一方で、偏見のない愛は、苦しみをなくし、幸せになりたいと願っているすべての命あるものを対象とする愛です。

 

このような限りない愛は、智慧によって支えられている場合にのみ生じるものであり、それ以外には起きてきません。

 

すべての命あるものに対する偏見のない愛は、心を訓練することによってはじめて育まれるものです。

 

心を訓練するとは、偏見のない愛こそ価値ある正しい心であるという理由を考え、それに心をなじませていくことによって愛を育んでいくという意味であり、そのようにして育まれた愛は、智慧によって支えられています。

 

智慧によって支えられた愛こそ、本当の愛なのです。どの角度から見てもすばらしく、まったく欠点のない純粋な心であり、そのような愛を育み、限りない愛に高めていかなければなりません。

 

しかし、ふつう私たちが持っている愛情は、自分にとって身近で親しい者たちだけに向けられたものなので、偏見に満ちた愛であり、無知の心が混ざっているため、ときに間違った心になっていることもあります。

 

限りない愛を持つためには、まず私たちが持っているふつうの愛情を種として、その偏見を少しずつ取り除いていき、すべての命あるものを慈しむことができるようになるまで高めていかなければなりません。

 

基本的に、他の人たちに対する思いやり、つまり慈悲の心には、ふたつのレベルがあるのです。

 

第一の慈悲の心は、私たちが本来的に持っているやさしさと思いやりで、これは生物学的な要素として備わっているものですが、この慈悲の心は限られた心であり、偏見のあるものです。

 

しかし、この心を種として、さまざまな理由や根拠を考えることによって心を訓練していけば、この慈悲の心を除々に高めていくことができて、最終的に、それを偏見のない限りない慈悲の心に育てていくことができます。

 

限られた慈悲の心は、家族や親しい友人だけに向けられたものであり、そのような慈悲の心は、主に相手の態度に依存しています。

 

ですから、あなたに対して友好的な態度を示してくる友人たちに対しては、やさしさや思いやりを持つことができますが、あなたを害したり、問題を起こしてくる敵に対しては、思いやりの心を持つことはできません。

 


心を訓練することによって育まれる限りない慈悲の心

 

しかし、心を訓練することによって育まれる限りない慈悲の心は、偏見のないものであり、相手の態度に依存することなく、むしろ、その相手が自分と同じひとりの命ある生き物であるという認識にもとづいています。

 

その相手もまた、自分と同じように、苦しみを避け、幸せになりたいと望んでいるのだという認識を土台にしており、そのように育まれるやさしさと思いやりは、限りない慈悲の心であり、偏った考えは含まれません。

 

このような慈悲の心は、敵に対しても持つことができるものであり、その意味において、すべての命あるものは、苦しみをなくし、幸せになりたいと望んでいるのですから、そのような願いを持っているすべての生き物たちに対して、同じようにやさしさと思いやりを持つことができるのです。

 

これが、より高いレベルにおける慈悲の心であり、智慧の助けによって理由を考え、心を訓練することによって育むことができる心です。

 


限りない慈悲の心を育てる三つの方法

 

このような限りない慈悲の心を育てるためには、三つの方法があります。

 

第一は、神を信じる宗教にもとづく信心。第二は、仏教、ジャイナ教など、無神教のとっている方法論。そして第三は、世俗的な方法です。

 

第三の方法は、宗教的な信心とは無関係に、世間一般の常識や、すべての人たちに共通する体験にもとづいて、慈悲の心の必要性について考える方法であり、最も大切なのは、科学者たちによる最新の発見を拠り所にして考えることです。

 

つまり、より慈悲深い心を持てば、免疫機能が高められて、より健康になれる、ということを考えるのです。

 

私たち人間は、基本的に社会生活を営む生き物なので、よりやさしい人間になれたら、他の人たちに対しても心を開くことができるので、人間関係もスムーズになり、すべての人たちに手をさしのべられるようになるからです。そしてそれは、自分自身が持っている不安や恐怖を取り除く助けにもなります。

 

それが、内なる心の力を作り出し、心の平和を生み出すのです。

 

極端に自己中心的な態度を持っていると、他の人たちと心を通い合わせることができず、自分の殻の中に引きこもってしまうことになり、それがより多くのストレスや不安をもたらして、最終的に孤独感やうつ病などを引き起こしてしまいます。

 

これは、近代科学に携わるお医者さんたちが発見した明らかな事実なのです。これが現実です。

 

そこで、これらのことを理由として、よく考えてみるならば、自分自身の幸せのためにも、もっと心を開いて、他の人たちに対するやさしさと思いやりをますます高めていけるのではないでしょうか。

 


以上の紹介内容は、すべて下記より引用しています。

【参考】
『心の平和』
ダライ・ラマ14世著 /サンマーク出版

 

画像については、書籍の内容を参考に作成したものです。
それ以外の追加情報については、参照元を個別に記載します。

 



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【ダライ・ラマ】Wikipediaより引用

ダライ・ラマ14世(1935年7月6日 - 在位1940年 - )は、第14代のダライ・ラマである。法名はテンジン・ギャツォ。4歳の時にダライ・ラマ14世として認定、1940年に即位、1951年までチベットの君主の座に。1959年に中国からの侵略と人権侵害行為に反発してインドへ亡命。亡命後は、欧米でもチベット仏教に関心のある人や複数の著名人の支持を得、ノーベル平和賞を受賞し、国際的影響力はさらなる広がりを見せており、中国は別として世界的にはチベットの政治と宗教を象徴する人物とみなされる。

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