日常生活の中であらゆる意識を調和していくことは、穏やかな成長の道です。
人は成長するに従って、より高次の意識に目覚めていきます。これまでよりも高次の意識に目覚めると、視野が広がり、多角的に物事を観ることができるようになります。
このような新しい自己意識が自己の全体に調和するまでには時間がかかります。
新しい自己意識に急激に変化しようとすると、既存の自己意識は他者に投影され、外側の出来事として次々現れます。既存の自己意識を無視して先へ進もうとすると、どこかで葛藤として現れます。
ですから、急がず慌てず、新しい自己意識が自己の全体に調和するまで、ゆっくり時間をかけて慣れることが役立ちます。
このように、より高次の意識に目覚めるたびに、新しい自己意識に慣れる期間、つまり新しい自己意識が自己の全体に調和するための期間が必要となります。
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より高次の意識に目覚め始めると、これまでの意識と高次の意識が調和しない時期があります。
このような時、調和しない部分を切り捨てたり、他人に投影してしまう場合があります。それらはよくある話ですが、調和しない部分をどう扱うかによって、全く異なる結果を生み出します。
調和しない部分を許せない場合は、自他の同じような部分を許せず受け入れられません。 逆に、調和しない部分を許し受け入れる場合には、自他の同じような面を許し受け入れることができます。
大きな成長プロセスの、どこかの部分、いずれ変容する部分として観ることも可能になります。
調和しない部分を助けたいと思えば、自他の同じような部分を助けられます。他者の苦しみを助けようとしているつもりが、自分の同じような部分が助けられ、他者のために考えた方法が、自分の同じような部分役立つことが多いのです。
そういう意味では、自己の不調和な部分を調和することで、誰かに自分の不調和な部分を演じてもらう必要がなくなり、お互いに調和した意識状態で関わることも可能になると言えます。
成長して高次の意識に次々と目覚めて行く中で、「調和するプロセス」が成長につながるという認識が重要になります。
高次の意識に目覚めると、これまで見えなかった視野が広がります。そして、既存の意識が自己中心的で自他を苦しめているような状況もよく見えるようになります。
そのような場合に、既存の自分を切り捨てて、他者に投影して批判していると、自己の意識を調和することができません。
新しい視野をもとに、これまでの苦しみの原因が明確になった時、その苦しみを生み出している既存の意識がなぜそうなったのか理由や本音を知る必要があります。そこには、過去の経験や、その経験による恐れ、昔からの癖や習慣、思い込みなど、色々な理由があります。その苦しみや恐れを手放し、新しい方法や考え方を追加することが必要になります。
また、できるだけ高次の視点から全体の調和をとるために眺めてみると、葛藤を調和する方法や、協調できるような新しい見方が可能になります。
しかしその際も、自己のあらゆる意識を敵対する者ではなく、困っている、あるいは言いたいことがあるチームメイトのように見る必要があります。全体に不調和をもたらすような場合でも、本質的に困っていることがわかったり、本当に伝えたいことを伝えられると協調の糸口が見出せるようになります。
このように、より高次の意識に目覚めるたびに、既存の意識を順に調和していくことで、自己意識を全て調和していくことが可能になります。あらゆる意識を調和していくことが、成長の道でもあります。
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高次の意識が目覚めるタイミングで、大きく変容する時期は注意が必要です。視野が広がるだけでなく、これまでと異なる知覚が目覚める場合もあり、混乱することもあるからです。
そのような場合でも、焦らず、慌てず、まずは落ち着いて調和を心がけることが役立ちます。
そうは言っても、大きな変容の時期に、あまりにも負荷がかかりすぎる状況では、エネルギーの消耗が激しく心身にもダメージを受けてしまいます。
ですから大きく変容している時期だと気付いた場合には、情報や関係や活動を無理のない程度に減らし、できるだけ落ち着いて日常生活を過ごせるよう工夫することが役立ちます。
大きく変容する時期であっても、落ち着いて健康的に日常生活を過ごすよう心がけることで、穏やかに変容プロセスが進み、やがて自然に自己意識の全体が調和する方へ向かいます。
また大きな変容時期を抜けると、情報や関係や活動の状況も新たに増やしていくことができます。
日常生活の中でも、毎日色々なことが起こり続けます。ニュースや家族・友人との関係、仕事の中の出来事、自他の思い・言葉・行いの全てが、あらゆる意識に異なる反応を引き起こします。一つの出来事に、あらゆる意識レベルが異なる反応をしているのです。
それらを調和するために必要なことは、ベースとなる意識状態を鎮めることです。
ベースとなる意識状態が混乱に満ちていると、台風の中で生きているようなもので、不調和に気づく以前に、次々と新たな不調和を生み出し続けることになります。
しかし日常生活の中で、ベースとなる意識状態が鎮まっていると、原因と結果が明確に意識できるようになります。そして、不調和な状態になった時に、その痛みや恐れに気づいて調和することが可能になります。
そのベースとなる意識状態をできるだけ高次の意識に保っておくと、より広い視野で物事を観ることが可能になり、色々な意識の混乱を調和するためのリーダーシップをとることも可能になります。
このように、成長するに従って意識を調和しながら自己の内面を育てて行くことができるよう、日常生活の中で穏やかに変容することが大切だと思います。
自己の内面が調和し始めると、外側の関係も次第に調和するようになります。外側の関係を調和するために、自己のあらゆる意識を調和することが役立つのです。
そして自己の内面の調和は、どんな立場の人でも可能な、日常生活の中にある道です。
各自のあらゆる意識も、多くの人々の意識も、理解と調和が進み、さらに各意識の役立つ面がチームワーク良く発揮される方向へ成長・発展していきますように。
2024年2月8日更新 inner-wish
2020年9月30日公開 inner-wish